聞き上手は単なる会話のスキルではなく、成功へと導く重要な要素です。「成功している人は、なぜ聞き方が上手いのか?」では、聞く力がどのように人間関係を深め、自己成長に繋がるかを解説しています。本書を通じて、共感とは異なるエンパシーや根源的欲求の発見、そして自動思考を意識することで、コミュニケーションがより豊かになる方法を探ります。
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導入・きっかけ
日常の会話の中で、相手に適切な質問ができず、思うように深い会話ができないと感じたことはありませんか?私自身、仕事やプライベートで相手に質問を投げかけたいのに、どうしても適切な言葉が出てこず、結果として表面的な会話にとどまってしまうことがよくありました。そんな時、「成功している人は、なぜ聞き方が上手いのか?」という本に出会いました。この本を手に取った理由は、聞き上手がなぜ成功に結びつくのか、その関連性を知りたいと思ったからです。特に、聞く力が自分のコミュニケーションスキルを向上させ、仕事や人間関係においてどのような変化をもたらすのかを深く理解したいと思い、読み進めました。
本書を読むことで、「聞く力」が単なる会話のテクニックではなく、もっと深い人間関係の構築や自己成長に繋がるものであることを知りました。以下では、本書の内容や印象に残った部分、そして実際にどのように応用していくべきかについて述べていきます。
本の概要
「成功している人は、なぜ聞き方が上手いのか?」は、聞き上手を「お互いが人として成長する能力であり、態度」と定義しています。この定義の中には、聞き手と話し手の両方が成長できる状態を作り出すという、従来の「ただ話を聞くだけ」とは異なる考え方が含まれています。特に印象的なのは、聞き手が話し手の「根源的欲求」を見つけ出し、それを基に希望を共に探るという役割があるという点です。
この「根源的欲求」という考え方は、表面的な欲望やニーズにとどまらず、人が本当に求めているものを見つけ出す手助けをするというものです。例えば、ある人が「昇進したい」と願っているとします。しかし、その願望の奥には「社会的な認知を得たい」「自分の存在価値を証明したい」というもっと深い欲求が隠れていることがあります。聞き手としての役割は、単に昇進という目標に焦点を当てるのではなく、その背後にある本質的な欲求を見つけ出すことです。
さらに、本書では「前意識」という概念も紹介されています。前意識とは、私たちの意識の表層にあるものではなく、その少し手前に存在する考えや感情のことです。聞き手が前意識にアクセスすることで、話し手が自分でも気づいていなかった感情や欲求に気づく手助けができるとされています。これは、深い信頼関係を築く上で重要なスキルであり、聞き上手がなぜ成功に結びつくのかを理解する鍵となります。
印象に残った部分
本書で特に印象に残ったのは、以下の4点です。
- 共感力はゼロでいい:本書では、聞き上手に求められるのは「共感」ではなく「エンパシー(相手への理解)」だと述べられています。これは、単に相手に同情したり感情的に共感するのではなく、相手の立場や状況を理解し、客観的に受け止める力が大切だという考え方です。これまでの私の考え方では、「わかる」という言葉を使うことが良いコミュニケーションだと思っていましたが、この本を読んで、その考え方が間違っていることに気づかされました。
- わからない状態に耐える力:相手の話を聞いていると、時折自分には理解できない部分が出てくることがあります。しかし、その時に焦って結論を急いだり、無理に理解しようとするのではなく、わからないままの状態に耐えることが重要だと本書では強調されています。相手の話をそのまま受け入れることで、より深い理解や新たな発見が生まれることもあるのです。
- 前意識へのアクセス:本書では、「前意識」にアクセスすることが聞き上手の重要なスキルであるとされています。前意識は、人が日常的に意識していることの手前にある領域であり、そこには多くの潜在的な欲求や感情が隠されています。聞き手がこの前意識にアクセスすることで、話し手が自分でも気づいていなかった本質的な部分を引き出すことができるのです。このプロセスを通じて、話し手が自己理解を深める手助けをすることが、聞き上手の重要な役割となります。
- 自動思考の意識:人は無意識のうちに、日常生活や人間関係で思考のクセ(自動思考)に従っています。この自動思考に気づき、それを意識することで、自分や相手の価値観や偏りに気づくことができると本書では述べられています。この視点は、自分自身のコミュニケーションスタイルを見直し、より効果的な対話を行うための大きなヒントとなりました。
これらの点を読んで、私は「聞く」という行為が単なる受動的な活動ではなく、深い思考や理解を伴うものであることを再認識しました。特に、「共感力ゼロでも聞き上手になれる」という考え方は斬新で、これからのコミュニケーションにおいても大いに役立つ知識だと感じました。
本を読んだ後の感想
本書を読んで私が最も驚いたのは、「わかる」という言葉を安易に使ってしまっていた自分自身に気づいたことです。これまで、相手の話を聞いて「わかる」と言うことが善だと思っていましたが、実際には相手の話を完全に理解することは難しいことが多いのです。今後は、「わかる」という言葉を軽々しく使わず、相手の話を本当に理解しようと努め、そのまま受け入れることに重点を置こうと思います。
また、「根源的欲求」を意識するという考え方は、非常に新鮮であり、実生活でも応用できると感じました。私たちが日常的に追い求めている欲望や目標は、必ずしもそのままの形で叶えるべきものではなく、その背後にある「本当に得たいもの」を見つけ出すことが重要だという考え方です。この視点を持つことで、単なる欲望の追求にとどまらず、より深い自己理解や成長に繋がると感じました。
さらに、自動思考(思考のクセ)に関しても、自分自身の思考パターンを観察し、それがどのように影響しているのかを把握することが大切だと気づきました。日常の会話や人間関係において、私たちは無意識のうちに自分の価値観や思考のクセに基づいて判断を下しています。これに気づき、必要に応じて改善することで、より冷静で建設的なコミュニケーションが可能になるでしょう。
実践内容と変化
実際に本書を読んだ後、私はまずニュースやSNSから距離を取ることにしました。日常的にニュースやSNSをチェックしていた時間が無意識に多くを占めていたことに気づき、その時間を他のことに使えるようにするためです。また、YouTubeの視聴時間も意識的に減らし、自分の時間を確保することに成功しました。
このように、情報のインプットを減らすことで、自分自身の思考に集中する時間が増え、心が穏やかになるのを感じています。また、他人の話を聞く際にも、表面的な反応ではなく、より深い理解を目指して聞くことができるようになりました。
おすすめのタイプ
本書は、以下のような方におすすめです。
- 人間関係に悩んでいる人:相手との会話がうまくいかないと感じている方や、もっと深いコミュニケーションを築きたいと思っている方にとって、本書は大いに役立つでしょう。
- ストレスを軽減したい人:無駄な情報を減らし、自分の時間を確保することで、ストレスを軽減し、心の余裕を持つことができるでしょう。
- 自己啓発に興味がある人:自分の行動を変えたい、より良いコミュニケーションを取りたいと考えている方にとって、本書は新たな視点と方法を提供してくれます。
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